ある冬の日
どうしたらみんなみたいに明るくなれるんだろう。どうして私はみんなみたいにはなれないんだろう。
「みんな廊下に出て並んでー」
私のクラスの女子の学級委員、中西さんが卒業式練習で体育館に向かう時間になったのでみんなに指示を出した。
中西さんの指示で私も本を閉じて廊下に出る。みんなもだらだらとゆっくりお喋りをしながら廊下に出てきた。
「やっぱ冬は外でサッカーに限るよな」「だな」「おかげで体が暖まったぜ」
3年生のみんながそれぞれ自分のクラスの教室前の廊下に並び始めたとき、階段から男子数名がやって来た。
あれは堺くんと岩井くんと松原くんと、それから他クラスの男の子たちだ。
どうやらさっきまで寒いのに運動場で遊んでたらしい。
堺くんたちの姿を見てたら、逆に見てるこっちが余計に寒くなってきた。
「じゃあなー」「おう」
堺くんたちも他クラスの男の子たちもそれぞれ自分のクラスにわかれた。
「げっ!優也たちまたサッカー?寒くないの!?」「も~、見てるうちらの方が寒いわー」「ほっぺ真っ赤だよ」
堺くんたちが帰ってきて、クラスの女の子たちがいろいろ言ってる。