ある冬の日
勉強してる最中、廊下側の前の席辺りで梨華と他の女の子3人が仲良く楽しそうに話してるのがわかった。
いーな。梨華たちはもう進路決まってて。ちょっと、ずるい。
梨華と女の子3人を見てそう心の中で呟く。
梨華とあの女の子たちは進路の第一志望が私立で推薦やスポーツ推薦で入試に受かった。
だからきっともう卒業までの間気楽に中学最後の思い出づくりができるんだろうなと思うけど、
今ここで勉強してるあたしたち第一志望公立組は必死なのに、なんだか梨華たちを見てるとバカにされてるような気分になる。
梨華たちはなんにも悪くなんかないのに。
はあ、早く受験終わってほしい……。
「きゃはは、でさでさ、こうなったわけよ~!」
「それ面白い」「うんサイコー」「ハンパないねそれ」
梨華たちの会話が途切れ途切れ聞こえてきた。
なんか無駄に楽しそうに見える。あたしも早く梨華たち側に混ざりたい。
「梨華ちゃんバレンタインあげるね」「私もクッキー作ってくる」
「ほんと!?嬉しいありがと~。じゃあウチもみんなに友チョコあげる~!」