ある冬の日




今年はそれがさらに進化して、後輩の1、2年生の生徒会の人たちはもちろん、なぜかお祝いされる側の私の学年のみんなからもいろいろな案が出てるらしい。



引退する前生徒会長をつとめていた3ー1組の山内くんが、どうせなら自分たちの卒業式だし自分たちの意見も反映してもらおう的なノリでいろいろがんばってるみたい。



そしてそのひとつがこのピアノ生演奏なんだって。斬新。



でもピアノの音なんか和むし、知ってる曲とか流れるとちょっとテンション上がっちゃったり、なんか楽しい。



この待ち時間も気が紛れるからうれしい。



ありがとう山内くんたち。ナイスアイデア。



順番が私のクラスになった。



卒業証書授与は男女混合の名簿順で行う。



クラスのみんなが一斉に立ち上がる。



そしてそれぞれ少しずつ動き出した。



私の左隣にいる萌乃ちゃんがクラスの女の子たちに手招きされて自分の位置に戻って行く。



よかった。いろんな意味で安心。



というか、最近は頻繁に行われる卒業式練習だけど、何回やってもなかなか実感湧かないな、卒業。



もう少ししたら実感するのかな。



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