ある冬の日
「じゃあ次は歌の練習をします」
学年主任の先生は生徒に向かってそう言うと、じゃあお願いしますと私の学年の音楽の教科担任の女の先生と指示を出すのを交代した。
そして音楽の先生がみんなの前に立つと、その瞬間女の子たちの強い殺気みたいなものを感じた。
同じ女子だからわかる、そういうの。
歌の練習は案外すぐ終わった。授業終了を知らせるチャイムが鳴ったからだ。
これで今日の卒業式練習は終わり。
そして1日の授業もこれで終わり。
今日5時間授業だからね。
学年主任の先生の号令で卒業式練習が終わり、今度は6組の人たちから体育館を出ていく。
私のクラスは3番目に体育館を出た。
教室に帰る時も男女別に2列にならんで歩く。
そしてみんな体育館を出た瞬間から異常なテンションだ。
みんなあとは帰りのHRとその後の掃除が終われば放課後だという気持ちが全面に出ている。
みんなにとって帰りのHRと掃除なんてあって無いようなものだからね。
みんなそのテンションのまま教室に続く廊下を歩いている。友達同士でおしゃべりしながら。笑いながら。大声を出しながら。