ある冬の日
梨華たちがバレンタインの話題で盛り上がってたとき、あたしはさっき教室に来るときの梨華との会話を思い出していた。
梨華に本命チョコ渡す人いないのと聞かれて『いない』って答えちゃったけど、ほんとは、いる。
うん、いるの。
正確にはチョコを渡す人じゃなくて渡したい人。
ずっと片想い中の人があたしにはいる。梨華には言えずにいるけど。というよりは言いたくない、が正しいのかな。
この恋は誰にも教えない教えたくない秘密の叶わない片想いだから……。
あたしの好きな人、それは柴原先生。
柴原先生は男子バレー部の顧問で担任は持ってないけどいつも2年生の学年にいて数学を教えてる。
27歳のわりには若くてかっこよくて女子生徒から凄い人気があって男子生徒からも親しみやすさで人気。
そんな先生。
大人なのに子供っぽくて、前に昼休みにグラウンドで男子生徒とサッカーしてたのを見たことがある。
でも先生には結婚を考えてる同い年の彼女さんがいるらしい。
バレー部のとき後輩から聞いた。