ある冬の日



でも今はヒロとのメール続けなきゃならない。



この時間はケータイさわっていたい。



まだ帰りのHR始まらないし、絶対続けなくちゃ。



頭のなかで次に送るヒロへの言葉を必死で考える。



んー、どうしよう、えーと。



「それオレ同じの持ってる」



え?



あっという間に頭の中が真っ白になって、いま考え中だったヒロに送るメールの言葉なんてどこか遠くに飛んでいった。



え?今誰かわたしに話しかけた?



ケータイに向けていた視線を声が聞こえた方に向ける。



そこには同じクラスの優也君がいた。



なんで優也君?



いまいち状況を読めていないわたし。



解放感溢れる騒がしい教室で、わたしは一気に緊張した。



「それ」



優也君はわたしのケータイにつけてあるストラップを指さした。



「え?」



このストラップがどうかしたの?と優也君に聞き返そうとすると、先に優也君が口を開いた。



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