ある冬の日



「オレのはサッカーだけどな。でもそれ同じメーカーのやつだろ?」



わたしのケータイにはストラップがついている。



布とスポンジで出来ていて、ハンドボールのゴールとボールが型どられてるの。



ハンドボール部だったわたしは、夏の壮行会のとき、後輩たちからこのストラップをもらった。わたしだけじゃなく3年生は全員もらった。



最後の試合、勝てますように。という願いと共にもらったストラップ。



結局わたしたち最後の試合もダメだったけど、その時もらったこのストラップは、今でもわたしの宝物になっている。



だからストラップはケータイにつけた。



「ほら」



優也くんは自分のスクバにつけているストラップをわたしに見せた。



席が近いわけでもないし、あまり話したこともない優也くん。



どうやらちょうどロッカーに置いてあるスクバを取りに来てた優也くんが、わたしの席のすぐそばを通った時にこのストラップに気づいたらしく、わたしに声をかけたらしい。



なんか男子ってほんと単純。



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