ある冬の日
「んじゃ」
「うん」
優也くんは自分の席に戻って行った。
こんなガヤガヤ騒がしい教室の中で、今わたしと優也くんがしゃべってた事なんて誰も気づいていない。
いや、一部の女子は気づいてたかも。優也くんの事が好きな女子は。
単純に嬉しかった。ずっと人と話すことを避けてたから。
卒業するまではこのままでも仕方ないって諦めてたから。
ありがとう、優也くん。
「帰りのHR始めるぞー、席に着けー」
さとちゃんの号令で帰りのHRが始まった。