ある冬の日
なぜいま俺がここにいるのかというと、簡単にいえばまあ俺は元生徒会長だったからその最後の仕事として後輩たちをアシストしようと思って。
うん。
……と、いうのは実は建前で、3年は進路とかあるし秋の終わりには生徒会をやめ立候補できなくなるってのが本音。
この学校は校則とか厳しいわりに、生徒たち発信のものを尊重してくれる学校で、近年は毎年卒業式のプロデュースも生徒たちに任せてくれる。
だったらまず校則をゆるくしろって話だけど。
俺は卒業する側の3年だけど、元生徒会長最後の仕事として裏方にまわった。
図々しい考え方だけど、ぶっちゃけただ単に後輩たちがどうやって俺らの卒業式をつくるのか元生徒会長の特権を使って間近で見たかっただけだ。
もともと生徒会って学校行事のときとか裏方ばかりやってるし、だから今回も裏方やることを別に苦に思ってないし、むしろ楽しみにしている。
現在生徒会室に集まったメンバーは3年が当たり前だけど俺1人だけ、2年が6人で1年が2人。男女比率はなぜか女子の方が圧倒的に多い。
でもこの人数が、全校生徒何百人で作り上げる卒業式の実行委員の数。
この人数が少ないのか多いのかわからないけど、絶対成功させてやる、今年の卒業式。