ある冬の日



チャイムが鳴ってしばらくすると、梨華が生徒会室に来た。



「彰斗一緒に帰ろ~!」



梨華とはもう付き合ってけっこうになる。



勢いよく生徒会室のドアを開けかわいらしく作った声で俺の名前を呼んだ梨華。



後輩たちはいきなりの来客の登場に驚いた様子で梨華のいるドアを見ている。



確かに梨華と俺は付き合っている。他人から見れば彼氏彼女ってわけだ。



そしてどうやら俺らが付き合ってることは、同じ学年の奴らはもちろん、後輩たちにも知れ渡ってるらしい。



嬉しいような照れくさいような、不思議な気持ちだ。



そして今梨華が生徒会室に来たことで、ここにいる後輩たちはしばらく俺らの会話を聞くはめになった。



一応先輩である俺に気を使ってくれてるのか、後輩たちは話し合いを一時中断し静かになる。



悪いな、気使わせちゃって。



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