ある冬の日
自転車置き場に着いた。
俺は梨華が自転車を出すまで側で待つ。
うん、どうやって別れ切りだそう。
「あ、鍵かけるの忘れちゃってた~」
どうしたらいいんだ。梨華を傷つけずに伝える方法。
もうずっと考えてるのになかなか答えが出ない。
「お待たせ」
「おう」
「行こっ」
2人で校門を出る。
梨華は自転車通学だからいつも2人で帰るときは途中まで自転車を押しながら俺と歩いてくれる。
てか今気づいたけど、自転車通学だからなのか梨華は今制服のスカートの下に学校指定のジャージを履いている。
ときどき通りすぎる車のライトとか街灯の光が梨華に当たるとそれははっきりとわかる。
男だったら制服ズボンだし、いちいちそんなことしなくて済むのに、女っていろいろ大変なんだな。