ある冬の日
「あ、そだバレンタインなにがいい?」
「え?あー」
「ねぇもうすぐ付き合って2年だね」
……そうだ、そうだった。
中1のバレンタインに梨華が俺に告白したのがきっかけで、俺たちは付き合うことになった。
すっかり忘れてた。てかその日がバレンタインじゃなかったら絶対俺付き合った日いつだったか覚えてなかったと思う。
女子ってほんと記念日にこだわるよな。
「だからさ、今度の休みデートしよ。空いてる?」
いや、そりゃ予定はないけど、でも……。
わかれ、なくちゃ、いけないじゃん、俺ら。
「ねぇ彰斗~?聞いてるの~?」
やっぱり別れたくない梨華とは。
ずっと梨華のために梨華が傷つくから別れ話を切り出せないでいると勘違いしてた、俺。
そして今気づいた。
本当は俺自身が梨華と別れたくないと思っていた事に。
……でも、これからの2人のことを考えると、やっぱり別れを選ばないといけないはずだ。
本当に本当に好きだから、梨華のこと。