ある冬の日



梨華はよくクラスのイベント事を考える。



春は花見。
夏は花火大会。
秋は焼きいもパーティー。



これ以外にも梨華が提案したイベント事はまだまだたくさんある。



HRの時間を使ってのドッジボールとか鬼ごっことか、とにかくいろいろ。



梨華は思いついたものとにかく何でも学級委員のあたしたちに伝えてきて、あたしたちから担任のさとちゃんに言ってもらおうと思ってるみたい。



確か2年生のときも梨華はクラスの学級委員の人たちによくイベント事を提案してた。



どうやら梨華はクラスのみんなと一緒に何かをするのがすきらしい。



だからみんなのムードメーカー的存在なんだと思う。



この日はもうすぐ卒業ということで、最後にみんなでお菓子パーティーとちょっとしたゲームをしたいとあたしに伝えてきた。



ならそのネーミング『お菓子パーティー』でいいじゃんと梨華に言ったら、中学最後の思い出づくりだから『思い出会』にしたかったんだという梨華の変なこだわりを散々聞かされた。



「さとちゃん許可してくれるかな~?」



一通り話し終わった後で梨華が不安そうに言った。



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