ある冬の日



今日もまた朝が来た。



冬の朝はいつだってとてつもなく寒い。



あたしは目が覚めてからもしばらくはまだそのまま暖かい布団の中でごそごそしてる。



夏に部活を引退してからは、起床時間が遅くなった。



そのおかげで最近はいつもこんな感じ。



だけどこの時間がなんとなく贅沢に思うのは、きっとあたしがまだ中学生だからだ。



時間になっても布団に潜ったままのあたしを見かねてお母さんがあたしの部屋にやって来た。



お母さんに「もう時間よ、起きなさい」と言われたって、そんなことくらいわかってる。



お母さんはあたしの部屋のカーテンを開くと、もう1度「起きなさいよ!」と強い口調であたしに言って慌ただしくキッチンへ向かって行った。



しょうがないからあたしは布団からちょっとだけ顔を出してみる。



そして部屋の窓側を見ると、窓の向こうはもう完全に朝になってた。



太陽の光が眩しい。



去年の今頃は部活の朝練でまだ辺りが薄暗いときから学校に居たのにな。



なんだかちょっと、寂しい。



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