ある冬の日
「じゃあ今日はこれで授業を終わります」
教科担任のこの言葉と同時にチャイムが鳴って2時間目の授業は終わった。
でもまだ1日の前半も終わってないし、なんか憂鬱。
「なにボーッとしてんの」
「わッ!びっくりした~」
気づいたら千尋がウチの席まで来てた。
「ほら、さっさと教室戻るよ」
『うん』とウチが言い終わる前に千尋はもう歩き出してた。
千尋はほんとクールだと思う。
もっとかわいく愛嬌よくしたらいいのにって思うけど、まあたぶん、これがありのままの千尋なんじゃないかな。
「待ってよ千尋~」
ウチは小走りで千尋のところまで追いついた。
千尋に追いつくと、教室に向かう同じクラスの男子たちがウチらの前を歩いてた。
千尋の歩くスピードが速いのか、男子たちがたらたら歩いてるからなのかよくわかんなかったけど、
ウチと千尋はその男子たちのけっこう至近距離まで近づいた。