ある冬の日



相変わらず教室は冷たい空気に包まれたままだけど、それもだんだん慣れてきて、なんかもうどれが本当の“暖かい”なのかわかんなくなってきた。



ふと千尋の席を見ると、紗奈ちゃんが千尋に話しかけてるのが見えた。



たぶんなんかの提出物のこと話してんじゃないかな。



千尋学級委員で毎日宿題のプリントとか課題とかクラスのみんな分集めて教科担任まで渡しにいく係やってるから。



ま、あくまでもウチの勝手な憶測だけどね。



千尋、紗奈ちゃんに話しかけられてなんか嫌なオーラ出してる。



きっと、紗奈ちゃんがいわゆる“地味な子”だからじゃないかな。



千尋そういう子と関わりたくないってタイプだもんなあ。



ま、これもウチの勝手な憶測なんだけど。



別にさ、同じクラスメイトなんだし仲良くすればいいじゃん、ね?



ってウチは思うけど。



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