ある冬の日
そういえばお菓子パーティー、じゃなかった、『思い出会』やれるかな~。
もしさとちゃんの許可が下りたらイチゴ味のお菓子持ってこよ~っと。
3時間目の授業の終わりを知らせるチャイムがやっと鳴った。
「梨華ー、さとちゃんに言ったらお菓子パーティーの事一応許可してくれたよ」
千尋がそう言いながらウチの席に来た。
「ありがと~千尋。でも一応ってどういう意味?」
「とりあえずさとちゃんからの許可は出たけど、あとはまた学年主任や校長の許可ももらわないとだめみたい」
「そうなんだ」
「うん。でもさとちゃんから校長たちに言ってくれるみたいだし、まあ何とかなるでしょ」
千尋のクールさはときにウチを安心させてくれる。
こういうときの千尋は妙にあっけらかんとしていて、見てると強い味方が1人増えたような気持ちになる。