ある冬の日
「こら優也!ボール蹴らないでっていつも言ってるでしょ!」
ちひろちゃんの怒鳴り声で私は我に返った。
「わりぃー、いつもの癖でさ」
ちひろちゃんと一緒に班の練習に混ぜてもらおうとしてた時、班の男子1人が遠くに転がって行ったボールを取りに行って戻ってくる時、そのボールを使ってリフティングをしながら戻って来た。
どうやらそれを見たちひろちゃんが激怒したらしい。
でもそんなに怒る事かな。っていうかバレーボールでリフティングってなかなか難しそうだし、むしろスゴイと思う。
「さすがバレー部キャプテン。やっぱバレーの事になると厳しいね~!」
りかちゃんがちひろちゃんに言った。
「もう茶化さないでよ梨華」
「スイマセ~ン」
「ほら喧嘩ばっかしてないで練習練習。中西たちも入って。僕がトス上げるから順番にアタックしてって」
こうして先生が鳴らす笛の音が聞こえるまで、私は6班のみんなと一緒に練習をした。