ある冬の日
でもなんかやっぱりまだみんなと馴染めてない。
そう思った。
体育の授業って、普通の授業と違って決められた席がない。
だから余計にコミュニケーションとかそういうのが大事になってくる。
私は人とコミュニケーションをとる事が苦手。
転校ばっかしてるけど、いまだに何が正解なのかわからない。
人が私の事を受け入れてくれる方法。
……うん、やっぱりわからない。
そうこうしてるうちに1時間目の授業が終わった。
「あ~楽しかった。ずっと体育の授業でいいのに」
りかちゃんが名残惜しそうに言った。
帰り際、体育館から更衣室までの距離をなんとなくその場の雰囲気でりかちゃんとちひろちゃんが私と一緒に歩いてくれることになった。
別に友達でもなんでもないのに、なんだか申し訳なかった。
それにしても相変わらずりかちゃんはよくしゃべる。
「ねぇねぇ里絵ちゃんって『やまだりえ』って名前なんだよね?」
「うん。そう、だけど」
正直、それを聞いて何がしたいんだろうりかちゃんは、と思った。