ある冬の日



「なんかさ~、ウチと似てるなと思って」



「え?」「似てるって何が?」



いまいちりかちゃんが何を言いたいのかわからず、私もちひろちゃんも思わず聞き返した。



「だから~、『やまだりえ』と『おかだりか』ってなんとなく響きが似てると思わない?」



やまだ りえ
おかだ りか



「あー、まあ言われて見れば似てるかも」



ちひろちゃんがりかちゃんに向かって言った。



「でしょでしょ!?だから最初、朝のHRで里絵ちゃんが自己紹介してたときそう思ってなんか親近感みたいなの湧いたんだよね~。それとね」



気づいたときにはりかちゃんはずっとちひろちゃんとしゃべってた。話の内容は私のこと話してるのに。ここに私はちゃんと居るのに。



今この瞬間、りかちゃんとちひろちゃんの視界に私は居ない。



存在していないのと同じなんだ。



「だから里絵ちゃん、これからもよろしくね!」



りかちゃんは思い出したかのように私に言った。



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