ある冬の日
やっぱりグループの人数が奇数だと、どうしてもこうなっちゃうよね。
転校先の全部の学校を思い出してみてもそうだったし。
これはもうしょうがないことなんだよ。本当に。
誰のせいでもなく、奇数グループには避けられない事実なんだろうな、きっと。
「あっ!ひこうき雲」
更衣室に向かう途中、廊下を歩いていると突然りかちゃんが大きな声を出して廊下の窓に近づいた。
「ひこうき雲がどうかしたの?」
ちひろちゃんがりかちゃんの側に近づいた。
慌てて私もちひろちゃんのあとを追う。
「あのね、ジンクスなの」
「ジンクス?」
「うん。『ひこうき雲を見たら幸せになれる』っていうウチの中でのおまじないみたいなやつ」
「へー。でもそれほんとに効果あるわけ」
「もちろん!少なくともウチは四葉のクローバーよりはこっちの方を信じてる。だってひこうき雲撮った写真を待ち受けにしてたときに彰斗と付き合えたんだもん」
「ふーん。梨華たち相変わらずラブラブだもんねー」