ある冬の日
またりかちゃんちひろちゃんだけでしゃべってる。
なんかもう、私が入る場所ないな。
やっぱり私みたいな部外者って、既に出来上がってる場所にのうのうと足を踏み入れちゃ駄目なんだよ。
「ってことは今ひこうき雲見てるあたしたち3人はこの先幸せになれるって事?」
ちひろちゃんが言った『3人』の中に私が含まれていることが逆につらかった。
「うん!そういう事」
「幸せかあ。いーなあ」
「い~よね~、幸せ」
「うん。あっ!てか早く着替えないと次の授業始まっちゃう!」
「ほんとだすっかり忘れてた!急いで更衣室行こ」
「うん。里絵ちゃんも」
「早くはやく~、急いでいそいで~」
「う、うん」
◆
私がりかちゃんたちがいる学校に転校したあの日から約1年。
季節は寒い冬になった。
いま私はストーブをつけた暖かい自分の部屋の中で自習勉強をしている。
それも平日の学校の授業がある日に。