ある冬の日
親が子どもを選べないんなら、子どもだって親を選べない。
ね、そうなんでしょ?
「おねえちゃん髪の毛しばって~」
「はいはいちょっと待って」
「姉ちゃん俺の体操服しらない?」
「え?もう、すぐ目の前にあるでしょ。ほら。もっと周りをよくみてよ」
うちの朝はいつもこんな感じ。
時刻は午前7時。ママは只今寝室で就寝中。
ママは昼間は近所のスーパーで、夜はまあいわゆる夜のお仕事で働いてくれてるから、朝になって家に帰って来てもそのまますぐ眠ってしまう。
だから朝はうちが弟や妹のママになってんの。
うちの家はママと小学4年生の弟と小学1年生の妹、それからうちの4人暮らし。
お父さんとはもう一緒に暮らしてない。
離婚したの、うちのママ。
それもバツ2。
1回目はうちのパパと、2回目は弟と妹のお父さんと。
「行ってきまーす」「いってきま~す!」
そしてあっという間に時刻は午前7時35分。弟と妹は、とくにまだ幼い妹の方は元気よく家を出発して行った。
ほんと、朝から元気良すぎでしょマジ。
「ふー」
なんだか安心してため息が出た。
でもうちが朝にやるべき事はまだまだある。