ある冬の日
まずは弟たちがきれいに残さず食べてくれた朝食の食器を下げて水をつけて置く。
それから次は洗濯。
そして洗濯機を回してる間に食器洗い。
それが終わったら掃除機を使って家の中全体の掃除。
だけど今日はいいや、掃除。
たまにはこういう日もあっていいよね。
洗濯機が回ってる間にうちは朝食のふりかけごはんを食べた。
「ごちそうさま」
自分の朝食の食器も洗い終わり、うちは恐る恐るママが眠る寝室へ向かった。
民話『鶴の恩返し』で、女に「絶対に中を覗かないで下さい」と言われていたのにその部屋の中を見たいという好奇心にかられた老夫婦の気持ちが、今ならちょっと、わかる気がする。
ママが眠る寝室の扉を少し開ける。
寝室の中を見ると、ママは寝息をたてながらぐっすり眠ってた。
一体あの背中には何がのし掛かってるんだろう。
……ごめんね、うちみたいなのがママの子どもで。
ぐっすり眠るママを見てそんなことを思った。