ある冬の日



この狭いアパートの一室に、うち専用の部屋なんてない。



弟と妹とうち。いつの間にか3人まとめて同じ部屋がうちら専用の部屋になってた。



うちはリビングからそのうちらの部屋に行くといつものようにメイクをし始める。



今から出かけるの。



学校じゃなくてどっかその辺をふらっとね。



中2の夏休み明けくらいから学校ちゃんと行かなくなったんだ、うち。



だからいつも行ったり行かなかったりを繰り返してんの。



どうせうちは、落ちこぼれのヤンキーなんだから。



別にヤンキー目指してるわけじゃないのにさ。



周りにいるみんなの目がそう言ってんだよね。



……うん。



よしできた、メイク完了。



メイクをし終わると、とりあえず部屋にある全身が映る鏡をみて全身チェックをする。



あ、



そのときやっと気づいた。



鏡に映る自分は学校の制服を着てる。



ヤバ、別に学校行くつもりじゃなかったのに無意識に制服着ちゃってたようち。



恥ずいんですけどマジ。



< 82 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop