ある冬の日



だけど高校行くとしてもうちみたいなこんな奴がまともな高校行けるわけないしさ。



結果通信にしたの。



ってなわけで、春からはうちも一応高校生になるらしいよ。



正直めちゃくちゃイヤだけど。



でもそう思うと、ちゃんとした学生生活がおくれるのは多分中学が最後。



もっとクラスのみんなと仲良くしておけばよかった。



と、なぜか最近そう思うようになった。



中学の卒業式までもう1ヶ月きってるていうのに。



玄関をあけて外に出た、制服姿のまま。



このまま学校に行こうか、いや、行かない行きたくない、どうせみんなうちを受け入れてくれないから。



そんないろんな考えが、自然と頭の中に浮かび上がってくる。



玄関の鍵を掛けた。



あ、また寝室で眠ってるママに『いってきます』言うの忘れた。ま、いいや。



んー、とりあえずどっか行こ。



うちが向かったのは学校ではなく近所のショッピングセンター。



って言ってもここ田舎だし、家から1番近いショッピングセンターまで行くのに自転車で1時間以上も掛かるんだよね。



勘弁してほしいんだけどマジ。



こんなんだったら学校までの距離の方が倍以上短いっつーの。



それでもうちは自転車にまたがり自転車を漕ぐ。



ここから、このどうしようもなくつまらない世界から全力で逃げるために。



< 84 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop