ある冬の日



うちの友達やクラスの女子たちはみんな、ロックよりベタベタな恋愛ソングの方が好きらしいからみんなが語る音楽の話には正直、ついて行けない。



だからと言ってわざとみんなに合わせてそういうジャンルの音楽を勉強するほどうちは賢くもないし。


好きな音楽を好きなだけ、誰にも邪魔される事なく聴くことのできるこの時間は、うちにとって宝物のように大切で、きらきらしてる最高な時間。


しあわせだー。最高すぎる。


音楽を大音量で流したまま(ダイエットのために)階段を使い店内の2階に上がる。




2階は1階より人の数も少なく、わりとゆったりとした時が流れているのが大音量の音楽を聴きながらでもわかった。




そのときぼんやりと、1階よりも2階の方がうちに向いてる空間だ、と思った。




2階には雑貨屋さんや本屋さん洋服屋さんなどがあって、うちはとりあえず雑貨屋へ向かった。



何を買うわけでもないのに、雑貨屋からしてみればうちは迷惑な客なんだろうけど、それでも居場所が欲しくて、少しの安心感が欲しくて……。



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