ある冬の日



カラフルでポップすぎる内装の雑貨屋を物色してると、意味もなく気分がわくわくしてくる。



なんかこういう時って、女子でよかったー!って思うんだよね、いつも。



きっと男子にはわかんないんだろうな、この気持ち。中3にもなっていつまでもバカ騒ぎ出来ちゃうクラスの男子たちには。




まあそういうところとか実はちょっとうらやましいけどね。




教室で男子たちのくだらないやりとり見てると、ほんとは女子よりも男子たちの方が頭良いんじゃないかって、時々思う、ガチで。




男子たちのラフさって、女子にはまずないからなあ。



まるでおもちゃ箱やお菓子の家のように楽しい夢がいっぱい詰まったようなこの雑貨屋には、いまうちが大音量で聴いてるロックな音は全然似合わなくて、悔しいけど、うちは自分の耳からイヤホンを外した。



するとイヤホンを外してより実感したのは、この雑貨屋に流れるふわふわした空気感。



なんか、ここが田舎の古びたショッピングセンターの一角だなんて全然思えなくて、もしかしてここが別世界に続く入り口なんじゃないかって疑ってしまう感じ。



って、それはさすがに言い過ぎか。



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