ある冬の日



でもこの雑貨屋は、中学3年生のうちから見ると、やっぱり不思議な場所。



毎月のおこづかいもちょっとずつ可愛いクマの貯金箱に貯めてるし、うちが1ヶ月に使えるお金なんてほんと少ないし、てかほぼ0円だし。



だから普段はこんな雑貨屋、友達の誕プレ買うときくらいしか行かないんだもん。



ヤバい、さっきからうち並んでる商品たちに完全に目移りしっぱなしだ。



かわいいー!ヤバいこれ。



人間こうなるともう心のなかで『かわいい』を連発するしかないのだと、なぜか他人事のようにそう思った。



もうすぐバイトできる年齢になるから、そんときになったらそっこーでバイトデビューしよっと。



はあ。



あ、パフュームだ。



並んでる商品にばかり気が向いてたうちは、今までこの雑貨屋に音楽が流れてることに気づいていなかった。



うちがそれに気づいたとき、店内にはPerfumeの曲が流れてた。



この曲はたしか前に給食の時間に流れてたやつだ。



この曲が流れてクラスの女子たちがパフュームパフューム言ってたんだよね確か。



えーと、曲名なんだっけ。



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