ある冬の日



雑貨屋を出てしばらくは2階をうろうろした。



本屋でファッション雑誌読んだり洋服屋に並ぶ服を遠くから眺めてみたり。



イヤホンから流れる音楽で、なるべく店の人たちの目を気にしないようにして。



なんとなく2階を一周したところで、うちはたまたま目に入った休憩用に並んでる長椅子に座った。



そこでうちはスクバからお菓子を取り出して食べた。



小腹が空いた時用にスクバには常に2種類以上のお菓子とガムを入れてんの。



冬はなぜかチョコレート系のお菓子ばっかり揃っちゃうんだよね、不思議。



でもやっぱりチョコ食べるとしあわせになる。至福のひとときだ。



一口サイズのチョコを口の中でゆっくり溶かしてじっくりと味わいながら食べる。



イヤホンから聴こえる音は、うちの心拍数をどんどん上げていて、それがちょっとおもしろい。



そういえば今日誰かの誕生日だった気がする。



ふとそう思って仲間やツレの顔を思い出してみるけど、2月生まれは仲間やツレにはいないはず。



クラスの誰かかな。



口の中のチョコが完全に溶けてなくなった。



……学校、行こ。



< 92 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop