ある冬の日
イヤホンを耳から外した。そしてそれごとスクバの中に入れて、代わりにマフラーと手袋を出す。
マフラーと手袋をかわいく装着して長椅子から立ち上がるとうちはそこから歩きだした。
階段を使って1階におりて、ひとまずトイレに向かう。途中、もう人の目は気にならなかった。
だってこれからうちは学校に行くんだもん。
ただ学校に行くって事が、(別に好きでやってるわけじゃない)派手な格好の中3にとって、どれだけ勇気が必要か、きっといま通りすぎてる人たちには一生わかんないよ。
トイレに着いて鏡チェックし終わるとうちはショッピングセンターを出た。
自転車を漕いで学校へ向かう。
ここからだと学校までは1時間以上もかかってしまうけど、それも今のうちには全然気にならなかった。