ある冬の日



時刻はもう昼過ぎになってしまってた。



自転車を漕ぎながら、なんだかさっきのショッピングセンターに居た時間がもったいなかったなと思った。



まあ学校行ったら行ったで確かに居心地はよくないんだけどさ、でも、どういう形であっても学校の中にちゃんと居るって、今しか味わえないことなんだもんね。



卒業は、もうすぐだから。



信号待ちでまた一口サイズのチョコを食べた。



今度は口の中で溶かさずに噛んで食べた。



冬の寒さの中で食べるチョコレートって、なんかいつもよりおいしく感じる。



途中、学校の近くのコンビニでミルクティーを買った。



レジで店員に“あの中学の生徒か”的な目で見られたから、それがなにかっていう態度で返してやった。



あのおやじ、絶対子どもだからってうちのこと見下してたよ、マジうざ。



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