ある冬の日



ようやく学校に着いたうちは自転車置き場に向かった。



うちほんとは自転車通学じゃないけど、最近学校に行くときはこうやって自転車乗って行くから学校に着くと自転車置き場に置いてんの、ほんとはダメなんだけどね、これ。



でもまあこれだけの数(3学年すべての自転車通学者)の自転車が並んでいればバレないっしょ、自転車通学者じゃないうちの自転車がひとつくらい混ざっていても。



さっそくうちは空いてるスペースを探し始めた。



うーん。でもこうしてみると案外ぎっしり置かれてるんだな、自転車。



朝とか大変そう、自転車通学のみんな。



あっ!空いてるスペース見っけ~やった。



自転車1台入りそうな場所をやっと見つけたうちはその場所に自転車を置いた。



そしてその場を立ち去ろうとしたとき、うちの目にあるものが映った。



「ん?」



あ、鍵掛けるの忘れてるこの自転車。



うちの隣に置いてある自転車には鍵が付けっぱなしだった。



かわいいコレ。



見るとその鍵にはハートの形をしたキーホルダーが付いていた。



盗まれなきゃいいけど。と、思いながらうちはその場を離れた。



校舎の時計を見ると、今は給食後の昼休みの時間だった。



給食たべたかったなあ。今日の給食なんだったんだろ。



ま、いいや。ダイエットになるしガムでも噛んどこ。



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