あたしだけ?★2


そして、だんだん近づいてくる声の持ち主。


「魁~っ!」


そして、俺の目の前に来たと思ったら、

急に抱きつく。

こいつ。恥ずかしさとか、全く無いわけ?


「蘭、暑いから離れてくんね?」

「あ~っごめん~♪ついつい抱きついちゃった」


あははと笑う蘭の姿。

こいつは、無意識で抱きついてんのか?

危険危険。


「蘭ちゃん!こんにちは」

「りょうくん~こんにちは~」


こいつら、馬鹿か。

今時こんなに挨拶する馬鹿はこいつらしかいないだろ。


「あ~っ!また魁あたしの事馬鹿にしてるでしょ!?」


まあ、馬鹿は馬鹿なりにこうゆう、勘が鋭い。


「魁~っ帰ろ~」

「ん・・・。」

「じゃあ、俺はお邪魔なんで退散するわ」

「じゃあね~っ」


ニコニコした顔で、りょうに手を振る蘭。


「りょうくんって、なんであんなにかっこよくて、優しいのに彼女いないんだろ~??」


それは俺も不思議。

りょうはあのルックスだし。

まあ女には優しいと思う。

彼女連れて歩いてんの見たことないかも。


「ちょっ!魁聞いてるの~?」

「ん。聞いてる聞いてる。」

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