冷たいキミの愛しかた
〜♪
歌声が、聞こえる。
その澄んだ声や高さから、
僕はその声の主を女子と断定。
入ろうか否か、
迷って入り口をうろうろ
している時だった。
「騒がしいよね、下」
ひょっこり屋上を覗くと、
春風にさらさらと髪を
なびかせながら下をみやる女子が居る。
「うろうろしてないで入れば?」
背中に目がついているのか?
彼女は振り向きもせず、そう言った。
「うろうろしてないで入れば?」
動かない僕に向かって、
彼女は再びそう言った。
相変わらず、振り向きもせずに。