冷たいキミの愛しかた
「携帯に登録されているのは、
家族だけよ」
「何の告白だよそれ!」
「なのでメモリー数は1」
「可哀想すぎるだろ?!」
そこで僕は思う。
メモリー数は1?
1と言ったよな?
兄弟が居ないにしても、
少なくとも父と母。
メモリー数は2になるはずでは?
「無粋な思考がだだ漏れよ」
「っと……悪い」
「あなた謝りすぎよ」
「ごめん」
「………それにしても」
謝り続ける僕につっこむのが
疲れたのか、彼女は唐突にきりだす。
「珍しいわね」
「何が?」
「あなたよ」
彼女はまっすぐ僕を見ながら
ビシッと僕を指さす。
「僕が?」
「ええ。だって………」