冷たいキミの愛しかた

「さて」



彼女は話題を切り替えて

からだごと僕の方を向く。


目の前に文字通りの美少女が居て、

僕をじっと見つめている。

僕はこれから彼女に何を

言われるのかとどぎまぎしていた、

していたのだが……



「ふむ。あなた平凡ね」


「失礼だよ!失礼!」


「あら、実は気にしていたのね」


「かまかけたな?!」



コイツ、侮れないな。



「冗談はさておき、

自己紹介タイムー」



はい拍手ー。と、1人でぱちぱち

拍手をする彼女。



「相手の名前を問うには

まずはこちらから自己紹介

しなければならないわね、

でないと信頼は得られないわ」


「案外普通の思考も出来るんだな」


「篠宮いのり、16歳、誕生日は

7月7日、血液型はAB型。

嫌いな事は害虫駆除です」


「なに最後のつけ足し」


「はい次」



華麗にスルーされた。



「あぁ……えっと……、

桜木優太、16歳、誕生日は

9月21日、血液型はO型」


「終わり?」


「うん、まあ。

平凡でつまらない僕には

執着するものも何もないよ」


「ふーん?」



何やら考えた風な彼女は、

僕の目の前に居た彼女は、

不意に僕に背を向けた。


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