冷たいキミの愛しかた

「それはあたしが、

あなたのストーカーだからに

決まっているでしょう?」


「……………スカート?」


「いえ、履くことで女子力の

上がるモテアイテムの話でなく」


「トースター?」


「あたし朝食は和食派よ」


「スモーカー?」


「最早つっこみを入れる

気力も失せるボケね、死んで

出直してきなさいな」



ボケるボケないは

置いておくとして、

僕は純粋に混乱しているのだ。


特になんのこだわりもなく、

家から近いという理由で

入学した高校で、見知らぬ

美少女に会って、しかも

そいつは僕のストーカーで。


混乱しない方が異常だろう?



「あのさ、お前は一体…」


「お前達!

そこで何をやっている!

屋上は立ち入り禁止で鍵が

かかっていたはずだぞ!

……む、新入生か?

入学式の後に生徒指導室に

来なさい!とにかく今は

そこから戻れ、危ないぞ」



体育教師っぽいやけに

ガタイの良い男性教師に

怒鳴りつけられ、僕の質問を

最後まで言い終えることは

かなわなかった。


というかここ、立ち入り禁止

だったのかよ……


篠宮いのり。

謎すぎるだろう。


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