赤い月 参
ゆっくり立ち上がり、奴に歩み寄る。
「大…」
「少年ジャンプだよ。」
幼稚園の時から友達だった。
教師や親に叱られる時も一緒だった。
もちろん、少年ジャンプも回し読みした。
そーいや、バンドに誘ったのは俺だったな。
大吾は泣き笑いのような顔で、這いつくばる奴を見下ろした。
「おまえは、やっちゃいけないコトをした。
罪は償わなきゃなンねぇよ。
でも、見捨てたりしねぇから。
拘置所でもドコでも会いに行くし、出てくるのを待っててやる。
おまえは俺の友達で、兄弟みてぇなモンだ。
また、同じモノ見て、同じコト感じて、笑おうゼ?
おまえは俺だ、そーだろ?
…
橙吾(ダイゴ)。」