赤い月 参
少年ジャンプ的に ね
「うさぎってさー…」
大吾のブレザーを肩に羽織ったジャージ姿の祥子が、自転車の荷台で呟いた。
住宅街の街灯を頼りに自転車を漕ぐ大吾には、彼女の表情は見えない。
だが…
何を言おうとしているのかは、なんとなくわかる。
祥子もあの場にいたのだから。
あの時のうさぎを目にしたのだから。
大吾は黙ったまま、祥子の言葉の続きを待った。
「変身とか、出来ンじゃないかと思うワケ。
ポーズ決めたらベルトが回る、みたいな?」
…ソレ、なんて仮面○イダー?
大吾は吹き出しそうになった。