赤い月 参
その様子を眼鏡の奥の暗い目で見ていた水原が、ゆっくり口を開いた。
「君は、どうしてオニと一緒にいるんだ?」
「そりゃ、うさぎが好きだか」
「愚問だったか。」
最後まで聞けよぉぉぉぉぉ!!
溜め息を漏らして首を振る水原に、景時は拳を震わせた。
「うさぎさん。」
水原の鋭い視線が、景時の背後から少し顔を覗かせるうさぎに移った。
景時が躰中の筋肉を緊張させ、薫までもが彼らの間に立ち塞がろうと動く。