赤い月 参
「でも、それではあなたが…」
「追われる身になるやも知れぬ、な。
だがそれは妾がした事の結果じゃ。
この地を去るも、妾の自由。」
(はぁぁ??!! アリエマセン!!)
さっきから、繋がれたうさぎと水原の手を見て不機嫌そうにしていた景時の眉間の皺がさらに深くなり、口がへの字に歪んだ。
水原からひったくるようにうさぎを引き離し、背後から彼女をスッポリ腕の中に収める。
「いやいや。
ソレは自由にさせねぇから。
薫ちゃん、縄持ってきて。」
「明日ホームセンター行くから、とりあえずビニール紐でもイイ?」
大真面目な顔で振り向いた景時に乗っかって、薫も大真面目に返す。
「ハっ
それもまた、そなたらの自由じゃな、景時、薫。
妾を止めて見せよ。」