赤い月 参
まんま○龍デスヨネ?
秋時の車の後部座席で、うさぎが手早く用意したおにぎりを頬張りながら、景時と薫はなんとなく遠足気分で目的地にやって来た。
山の麓の池ではない。
助手席に座ったうさぎが案内したのは、山頂付近の少し開けた場所。
街の夜景がキレイに見渡せるが、車を降りて歩かなければ辿り着けないため、人の気配はない。
強力な気を感じるわけでもなく、特別なところなど一つもない山の中。
そこに結界を張れと、うさぎが言った。
正しくは『そこに』ではない。
空に。
なるべく広く、なるべく高く、短時間でいいから誰も夜空を見上げないような結界を。
「奴は派手好きじゃからな。」
理由を聞いたら、返ってきたのはこの答え。
なんとなくは、わかるよ?
今からナニが起こるのか。
ジジィまで、年甲斐もなくワクワクしてるし。
でも… マジデスカ?