赤い月 参
なのに暗雲は広がり続ける。
空を覆うように。
黒く、厚く、世界を飲み込むように。
「コレ…
触れちゃいけねぇモンに、触れたンじゃねぇか?」
隣から聞こえた呟きに景時が目をやると、真冬だというのに秋時のこめかみには汗が伝っていた。
そして…
重く垂れ込めた暗雲の切れ間から黄金に輝く稲妻が幾筋も放たれ、『触れちゃいけねぇモン』が姿を現す…
「「「…」」」
普通なら一生お目にかかれないような奇跡を目の当たりにして、三人は…
もう、笑うしかねぇよ、コレ。