赤い月 参

「…
ねー、クリ○ン、ボール七個集めたの、おまえ?」


「…
集めてねぇよ。
てか、ク○リンじゃねぇよ。」


「ゴメン。
ハゲだから間違えたわ。」


目の前の光景を見上げたまま、景時と薫が覇気のない声で囁き合った。

秋時は口を開けたまま瞬きも忘れたように、ソレに見入っている。
呼吸まで忘れていないか、心配だ。

だって…

碧く光る鱗に覆われた、とぐろを巻く長く巨大な躰。

三本指には鋭く尖った鉤爪。

二本の角、長い口髭…

神○デスヨネ?
コレ、まんま○龍デスヨネ?

ボールも集めてないのに。

ギャルのパンティも欲しくないのに。

カメ○メ波なんて打てないのに…

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