赤い月 参

さらにその上、景時には地獄の試練が待っていた。

たかが人間のために、なんでそこまで頑張らなきゃなンないの?と、蒼龍がゴネだしたのだ。

まあ、ご尤もダヨネー。

そもそも泉にオニなんか突っ込んじゃったの、人間だしネー。

それにナニが産まれようが、日本が海に沈もうが、龍神にも鬼神にもたいした問題ではないのかも知れない。

だが、蒼龍がゴネた理由は、そんなコトではなかった。


「ねぇねぇ、でもね…
姫がいつものご褒美くれるなら、ボク頑張る!」


ご褒美?
ナニ? ソレ。


「…
いつまでも、仕様のない子じゃ。」


うさぎは困ったように眉を下げて笑い、蒼龍の肩を抱いた。

そして、小鼻をうごめかしながら目を閉じた蒼龍の額に、軽く口づけを…

口づけを…

クチヅケヲ‥‥‥‥‥

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