赤い月 参

血塗られたうさぎの過去を語り、景時に待ち受ける凄惨な未来を予言した蒼龍は、アルカイックに微笑んだ。

なまじカワイイ子供のような外見をしているので、その表情はよけい不気味で恐ろしい。

だが景時はそんな蒼龍をジっと見つめた後、あろうことか欠伸をした。

さっきまでの緊張感がキレイサッパリ消え、いつものようにヘラっと笑う。


「うさちゃんは、理由もなくそんなことシマセンー。
ソイツら、なんかやらかしたンじゃね?
いつか俺も殺られるっつーなら、きっと俺が悪ィンだよ。
そりゃ、しょーがねぇわ。」


「…
助けてー、母上ー、って逃げないンだ?
おまえ、生意気だな。」


生意気なのはオメェじゃね?

あ。
龍神様デシタネ。
ゴメンナサイ。

不愉快そうに唇を尖らせる蒼龍を見て、景時はこっそり苦笑した。

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