赤い月 参
両手で口元を隠し、視線を逸らすうさぎを間近で見て、景時の怒りは急速に冷めていく。
スゲェ、ナンデスカ?
今俺、衝動のままにナニシタ?
…
…
…
(うさぎにキスした…)
景時の全身が火を噴いた。
慌てて抱えていたうさぎを降ろし、彼女に背を向けてしゃがみこむ。
ぅわぁゎわぅぇぇ??/////
キスした、キスしたよ。
いやいや。
浮かれてる場合じゃねぇよ。
完全に勢いだったから、唇の感触すらおぼろ気じゃん。
思い出せ!
俺の脳細胞!!
普段あんま働いてない分、今こそ真価を発揮しろ!!
いやいや待て待て、違ェだろ。
俺、無理矢理やっちゃったよ?
しかもいきなり舌ブチ込むとか、好きなコ相手になんつー色気のねぇキスしちゃってンだ。
本気のバカは俺だぁぁぁぁぁ!!