赤い月 参

景時は赤くなったり青くなったり忙しい顔を、両手で覆った。


(もうムリ。
泣きたい。)


「景時…」


うさぎの白い手が、背中を丸める景時の肩に軽く触れた。

景時の身体がビクリと揺れる。

ナニが来る?

『妾の許可もなく… 殺す』
コレか?

でもさー、うさぎがあんなコト言うのも悪いンだゼ?

なのに、思い出すのもひと苦労なキスで殺しちゃうのは、理不尽じゃね?

もう一回させろ。

『ヘタクソ』
コレなら‥‥‥死ねる。

違うから。
なんつーか…違うから。

言い訳に聞こえるカモ知んないケド、ちゃんとキモチイイキスできンだよ?まじで。

もう一回させて。

あら?
ドッチにしろ、死亡確定?

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