赤い月 参
「二度と、そなたを試すような真似はすまい。
本当にすまなかっ」
白い頬を滑っていた景時の指がうさぎの唇に当てられ、彼女の謝罪を止めた。
「もうイイから。
謝らないで。
俺も謝らないから。」
いつものように、愛おしそうに甘く微笑む。
「俺、うさぎが好きだよ。
昔ナニしたとか、どーでもイイの。
うさぎが好き。
ほんとに、ほんと」
「ぅわぁぁぁぁぁん!!
姫に触るなぁぁぁぁぁ!!」
小さな蒼い弾丸が飛んできて、景時とうさぎを引き離す。
うさぎの腰に抱きついて涙目で睨んでくる蒼龍を見て、景時は苦笑した。
秋時と薫も、手を振りながら歩いてくる。